満員電車のスマホ族(スマホゾンビー)、 “電子レンジ通勤” で命を削る?
「東北大学大学院理学研究科の助手(2002年当時) 本堂毅さん(熱物理学専攻)は、列車内に携帯電話が複数あるとき、重複と反射によって発生する平均電力密度を求める計算式を導き出した。例えば、ある車両で、0.4W の電磁波を出す携帯電話を50人の人が1台ずつ持つと、車両内の総出力の合計は 20W。
これを計算式に当てはめると、車内の電力密度が、ICNIRP (国際非電離放射線防護委員会)が定める国際基準値 (900MHzで「450μW/cm2)、1.8GHz で 「900μW/cm2) の数倍にもなることがわかった。
ラッシュ時は、1車両に約 300人が乗ることや、携帯電話を使う人が90% いることを考えると、電車の中の電力密度は、どれほどの高さになるのか、空恐ろしいほどだ。まさに、電子レンジの中に閉じ込められたようなものだ。」
以上は、2010年出版の 「見えない汚染「電磁波」から身を守る」 古庄弘枝著 からの引用(132p)である。この2010年当時ではまだスマホは登場したばかりで、ガラケーの全盛時代であった。
さて、言うまでもなく、2017年現在の時点ではスマホの普及率はとうにガラケーを上回っている。
ここ7年ほどでスマホは日本をすっかり席巻してしまった。
そして、スマホは電話というよりはパソコンであり、とうぜんガラケーよりも電磁波の出力は大きい。スマホの電磁波はガラケーの10倍と言われている。その電波はもちろん電磁波、より正確にいえば、マイクロ波という電磁放射線(ElectroMagnetic Radiation) である。これは電子レンジとほぼ同じ帯域の電磁波である。
ガラケーを使っている人間よりもスマホを使っている人間の方が電磁放射線の被曝量が10倍多いことになる。最近では車内でも珍しくないタブレットの場合は、スマホよりもさらに被曝量が多くなることは明白だ。
電車内ではスマホでネット、スマホで動画(漫画?)という使い方は普通になっており、膨大なデータ量を電波で受信したり、送信したりといったことが日常茶飯事に行われている。
実際、スマホの平均的なスピードはガラケーの100倍から1000倍と言われている。体感的には20~30倍の違いがあると言われている(ヨドバシ、ビック、ヤマダ電気3社の大手家電量販店のケータイコーナーの店員たちの回答)。
こういった2017年現下のモバイル状況を考慮に入れると、上記の2002年の 「車内の電力密度が、ICNIRP (国際非電離放射線防護委員会)が定める国際基準値 (900MHzで「450μW/cm2)、1.8GHz で 「900μW/cm2) の数倍にもなることがわかった。」 という、東北大学熱物理学専攻の本堂毅氏の計算結果が “牧歌的” に聞こえるほどである。 今日では 「数倍」 どころか、控えめに言っても少なくとも 「数十倍」 になっていると考えられよう。
同じスマホを使うのでも、駅のホームと電車内とでは電磁波的にはかなり状況が違う。
駅のホームでは、最寄りの携帯基地局Aとのあいだで電磁放射線によって安定した交信が成立している。
しかし、いったん電車に乗って走り出すと、ホームでつながっていた携帯基地局Aの圏外にけっきょく出てしてしまうことになる。しかし脱け出す前に、あなたのスマホは走る電車の沿線に見える次の携帯基地局Bを必死になってさがすことになる。このときにあなたのスマホの電波が強くなり、あなたは駅のホームでスマホをしていたときよりもずっと多く電磁放射線に被曝することになる。そしてこれは目的の駅に到着するまで繰り返される。言うまでもないが、これは車内の電源の入ったモバイル端末すべてに起きていることである。
あなたがメールやラインをチェックしたり、ネットのニュースを見たりしているあいだに、あなたのスマホは電波が途切れないように、次の電波圏(セル)にシームレスに次々と切り替えているのだ。「このままだと切れちゃうなあ、次の電波圏にジャンプしなくちゃ」 と あなたのスマホは電波の出力を上げて健気(けなげ)にも必死に次の携帯基地局をキョロキョロさがしているのだ。電車通勤が1時間だとしたら、出発駅から到着駅まで少なくとも20以上の携帯基地局の電波圏をくぐっていることになるだろう。そして切り替える前後に電磁放射線の強度は高くなる。
● 移動している場合はモバイル端末の電磁波は繰り返し強くなるということだ。これは自動車でも同じである。歩道上や喫茶店の中とは大違いである。
速ければ速いほど、強くなる頻度は高くなる。自動車の場合は、電車の車両よりも天井はずっと低く、ずっと小さな “閉鎖空間” なので、電磁放射線の “反射と重複” はそれだけ多く、強くなる。つまり自分のスマホの電磁波を最大限に増幅して被曝することになる。戦車の中で機関銃を撃っているようなものだ。4人乗っている自動車内の一人がスマホでメールを始めたり、電話を始めたり、YouTube を見始めたりすれば、 “反射と重複” によって他の3人も “道連れ” となる。
電車内でスマホを使っているのはあなただけではないだろう。多くの乗客があなたと同じように沿線の基地局アンテナと “一時的に” 繋がった状態で走っている。携帯電話会社はそれぞれ別々の基地局なので、電車内はつねに何割かのスマホが次の自社の電波圏にジャンプするために一斉に電磁波を強めているのである。
ドコモ契約のスマホは今繋がっているドコモの基地局から離れだすと一斉に電磁放射線が強くなる。そして、次にソフトバンクの基地局が近づくと、車内のソフトバンク契約のスマホが一斉に電波圏を切り替えるという具合である。
電磁波的には列車は、電子レンジを数珠つなぎにして走らせているようなものである。
たとえば、山手線は11両編成で、通勤ラッシュ時は各車両に300人強の乗客が乗っているそうだ。
ひかえめに11両編成の1列車に 3,000人としても、スマホなどのモバイル端末を使っている乗客はせいぜい半分の 1,500 人くらいだろうか。そうすると、山手線1列車11両にはおよそ 1,500台のモバイル端末がビンビン機能していることになる。シェア46%のNTTドコモに限ってみると、700台くらいの端末が沿線の最寄りの携帯基地局に繋がりながら走っていることになる。
1車両にモバイル端末が140台とした場合、キャリアごとのシェアは、ドコモが 64台、KDDI(au) が 42台、ソフトバンクが 34台という感じである。携帯基地局はキャリアごとに別であるから、走っている1車両の中の140 台のモバイル端末は3つのキャリアが混在した状態で、窓の外の3方向からの電波と一斉に同時に交信していることになる。そうなると、以下の画像ではそもそも人数からしてすでにひかえめ過ぎるだろうが、少なくともこれらの倍以上の密度の “電磁波混濁状態” になると想像されよう。
携帯電磁波であるマイクロ波は、人体をやすやすと貫通する電磁放射線なので、乗客は座っていようが、立っていようが、全員絶え間なく、そして万遍なく被曝していることになる。
少なくとも、あなたのスマホと最寄りの基地局との間の見通しの直線を遮っている人体はすべてマイクロ波によって貫通されていると考えていい。同じようにあなたの人体も脳もまわりのスマホによって貫通されている。当然のことだ。
そして、実際に電子レンジの周波数は2.45GHzで、スマホの2~3GHzとほぼ同じ帯域である。電子レンジの中ならいくつかのフライドチキンかもしれないが、通勤電車の1車両の中は約200~300人の生身の人体である。
電子レンジの庫内と同様に、電磁放射線は金属の箱である電車の車両内では乱反射し、車両内のたくさんの人体をコンスタントに “再貫通” していることになる。しかし、それらはまったく目には見えないので、ふつうのひとはひたすらスマホの画面に釘付けである。こうした習慣的な被曝の結果が出てくるのは5~10年後である。その場で瞬時に明白な被害結果が出るわけではないのだ。
ただし、“現代のカナリア” である “電磁波過敏症” のひとたちの場合、こうした 過激な “電磁波地獄” では頭痛、めまい、耳鳴り、頭鳴(ずめい)、不快感、倦怠感、吐き気、をもよおして耐えられず、ひと駅区間すらも乗っていられない。
実は普通の人でも多少の不調は感じているのである。しかし、それを 「睡眠不足かな」 「昨日飲み過ぎたかな」 「更年期障害かしら」 「年のせいかな」 というふうにそれぞれ個人的な原因に帰して納得しているのである。冷静に客観的に状況を考えれば、原因は “電磁波” なのである。
欧米では今現在 “電磁波” EMF は大問題になっている。しかし、日本では大衆にそれに気づかせないために “電通” が新聞、テレビ、週刊誌に 「電磁波」 という文字列が出ないように徹底して情報コントロールしているのである。電車の中吊りの週刊誌の広告に 「電磁波」 の3文字が出ることは決してない。あなたは見たことがあるか?
自分のスマホが受けたり、発したりする電磁波は周りの乗客を貫通し、同様に周りの乗客のスマホが受けたり発したりする電磁波があなたの身体や脳を何度も貫通することになる。お互いさまと言えば、たしかにお互いさまではある。
お互いの人体はあらゆるレベルで電磁放射線の影響を受けている。もちろん悪い影響ばかりである。電車内では乗客たちはみな仲良くDNAレベル、細胞レベル、臓器レベル、脳神経レベル、記憶・学習レベルまでダメージを受ける。“集団的で緩慢な廃人化” が進行している。
自分はほとんどメールだけだから電磁波の被曝は最小限だと思っているナイーブなひとがいるものだ。電車内であなたの両隣に座っているひとがネットを見ていれば、あなたも強い電磁放射線によって絶え間なく “串刺し” になっている公算が大きいと言わざるを得ない。
世界でいちばん規制が甘い日本
ちなみに各国の、電磁波の被曝限度値を比べると、日本はつねに “最大値” を “誇っている”。日本は携帯電話会社の天国である。国民の健康よりも企業の利益が優先される国である。 ロシア、中国といった大国が意外にも慎重な基準にしているのは興味深い。 μW/cm2 =マイクロワットパーセンチメートル
ロシアは日本の規制値の100分の1という厳しさである。
マイクロ波を “ステルス兵器” として世界で最初に開発したのは、旧ソ連であった。
ロシアは旧ソ連時代に電子レンジを禁止していたことがある。
ロシアは電磁波の危険性を知り尽くしているのである。有害で危険だからこそ、“兵器化” したのであり、“マイクロ波の民生用機器” の使用を禁じたのである。
深慮遠謀を巡らす “老獪な国” であるロシアに比べると、いつだって “目先の利益” しか考えない日本は、なんとまあ “幼稚な国” であることか。
次にSAR値で比べても、日本は “最大値” を “誇っている”。
“人体への電磁波等のエネルギーの吸収比率” は小さいに越したことはない。
こちらでは、最大被曝限度値では同じ値で並んでいたアメリカとカナダは日本より低い数値で、厳しくなっている。
常に目いっぱいの “最大値” で突き進んでいる日本がいる。
韓国、インドは少なくとも日本よりは賢明である。
日本が “電磁波地獄” になっているもう一つの原因は、“マスコミの沈黙” である。
日本以外の先進国では、マスコミは電磁波の危険性、スマホの危険性、スマートメーターの危険性についてたまに警鐘を鳴らすことがある。
産業界にべったりのあのCNNでさえ、携帯電話の危険性を特集した番組を放映している。
日本ではテレビでも新聞でも電磁波の危険性についての記事や番組はここ10年以上いっさい出てきていない。ゼロである!あなたは 「電磁波」 の3文字を新聞の見出しで見たことがあるか?テレビのニュースで見たことがあるか?
携帯電話会社が産業界において巨大な企業に成長 し、スポンサーとして莫大な広告料を “口止め料” として払っているからである。
皆さんおなじみの NTTドコモ、KDDI au、ソフトバンク の3社である。
これが日本ほど徹底している国はない。広告代理店の電通などが情報コントロールしているのである。
「“電磁波” を出したら、いっさい広告頼んでやらないからな、わかってるだろうな!」
日本のマスコミはとうの昔に公器として真実を伝えようという意志すら失い、財界と政府のために “国民を染脳する装置” 、“プロパガンダ機関” になりさがっているのである。
そして、“真実を隠蔽し”、3.11でも目が覚めないどうしようもない日本国民を “永遠に騙している” のだ。
現在、日本のあちこちで携帯基地局反対運動が起きているが、新聞、テレビ、週刊誌はいっさい報道しようとしない。その理由を冷静に考えて頂きたい。
● 自分一人ではなく、同じ閉鎖空間でたくさんの人間が一斉にスマホを使っている状況では、互いに周りの人間を電磁波攻撃し合っていることになる。スマホを持っていない人間や電源を切っている人間も見境なく一方的に電磁波攻撃されているわけだ。
“スマホ族で満員の通勤電車” は、きわめて被曝量の多い “電磁波的に濃密で混濁した有害な環境” と言える。
さて、このように年々電車内の電磁スモッグが濃度を高めてくると、特にペースメーカーをつけているひとでなく、ふつうのひとでもモバイル端末の便利さよりも電磁波の少ない環境を求めるようになるであろう。
“携帯電話・スマホ電源オフ車両”
昨今、“電磁波過敏症” のひとが増えてきている。そういった人々にとっては、電磁波からいかに逃れるかがまさに死活問題となっている。潜在的には人口の4%近くは存在すると言われている。ペースメーカー装着者よりも多いことは言うまでもない。
電車の車内が異常な状態になってきているこんにち、鉄道各社にはせめて各列車のうち1車両くらいは “電磁波フリーの車両” にして、公共交通機関利用中の電磁波による健康被害を少しでも回避できるようにする責任があるように思える。
“携帯電話・スマホ電源オフ車両”の必要性はまさに切実なものとなっており、この要求は以下のように “署名運動” として社会運動化している。
「携帯電話・スマホ電源オフ車両を求める会」 による署名活動である。そんな車両があったら入りたいと思う人はぜひ署名をお勧めする。実現に向けての一つの建設的な行動となるだろう。
コメント
Unknown
貴重なご意見有り難うございます。
雀 さま
日本のマスコミでは、「電磁波」 はタブーになっています。新聞、テレビでは問題として取り上げられることはありません。週刊誌でも記事にできません。
携帯電話会社が巨大なスポンサー企業となり、口止め料としての莫大な広告料を支払っているからです。
真実が金の力で隠蔽されているのです。
マスコミ操作
こんなところでもマスコミ操作が行われていたのですね。お恥ずかしい事に、「電磁波の悪影響って、そんなに世の中で問題視されてないのになぁ」と、思ってました。それもそのはず、私もまんまと操られていたのですね。
隠されているということは、隠さなければならないほど悪いということなんでしょうね。身震いしました。
私の子供、孫世代に、安心な世の中になってほしいと願ってやみません。
ころん さま
多くの人が持っているスマホは、毎日使うあまりにも身近なものなので、ほとんどのひとはまさかそれが非常に危険で、取り返しのつかない健康障害につながるとは思わないのです。
日本の政府もマスコミも “破局” が来るまで真実を隠し続けるのです。大本営発表以来、水俣病、森永ヒ素ミルク事件、アスベスト問題、そして3.11で崩れた 「原発安全神話」 等々。
3.11からまだ6年ですが、あれだけの国家的破局を経験しても、目覚めた日本人はけっきょくごく少数なのです。
電磁波産業
がん患者が増えれば増えるほどまたまた保険、医療関連、製薬業界、広告、その他いろいろが大もうけです。笑いが止まりません。そういうことなんですね。
Unknown さま
おっしゃるとおりです。 「がん早期発見」 といって、CTスキャンでさらに強い電磁波を浴びせて、がんの成長を促進させています。
慢性的な電磁波障害からくる頭痛、うつ傾向、倦怠感といったものはふつうの医者には原因が突き止められず、「精神的なものですね」 ということになってしまいます。つまり、 当人の心の問題” というふうに矮小化されてしまいます。心療内科に回されても、「精神的なストレス」 というレッテルを貼られて終わりです。
こんにちの医学と精神医学のパラダイムでは “電磁波” に起因する問題を捉えられないのです。「精神的なものですね」 と言って、精神安定剤を処方し、診察料を取っているのです。
助けて〜。
大変参考になる記事をありがとうございます。私は電磁場過敏症です。
パソコンもそうですが、 i-phone のスマホで、電磁場をビリビリと感じ、手・腕が痛く痺れるとか、心臓がバクバクするなど、色々と症状が出ます。
まさに現代のカナリアです。
。。。(ToT) 。。。
カナリア さま
電磁波過敏症のひとは増える一方です。学校にデジタル教科書が導入され、5Gが広がるとどんどん発症してきます。数年で大きな社会問題になるでしょう。
現代のカナリアさんたちの一人一人のさえずりだけでなく、カナリアさんたちがつながりを持ち、連帯して、人々の健康を守るために率先して声を上げる必要があるでしょう。社会的責任を自覚した能動的なマイノリティになることが必要なのです。
これは同じマイノリティのLGBTとは根本的に違います。電磁波過敏症はそうでない一般のひとびとの生活にも潜在的に関わる重大な健康問題です。LGBTの場合は、当事者たちが自分たちの権利や承認を求めているだけです。ですので、彼らには社会的使命はなく、 “カナリア” ではありません。
しかし電磁波過敏症のひとたちには、一般のひとたちよりも早く社会的な危機に気づいたわけで、その危機をひとびとに報せる社会的責任があるように思います。その責任があるからこそ “現代のカナリア” なのです。
“現代のカナリア” というのは単に同情を買うために使う可憐なイメージではないのです。