日本のサウナ産業はかなり早い段階から「サウナの美容効果」を謳ってきた。そもそも「サウナは身体にいい、健康にいい」という触れ込みで導入されたが、特に女性にアピールするためには「美容効果」が殺し文句だったことは想像に難くない。
日本の高度経済成長を背景に、北欧からのライフスタイルとして日本の入浴文化に新たに導入されたサウナに新し物好きの日本人は飛びついた。そして、白人女性が心地よさそうにサウナ浴をしているイメージは日本の女性の脳にしっかりと刷り込まれてしまった?
特に当時の富裕層の女性には、その舶来の差別的ステイタス感が魅力だった?当時の1500円は、今の6400円!
そして、わざわざ北欧から導入されたのは、もちろん「何かいいこと」があるからに違いない!
そうだ!
(A)身体と健康にいい!
(B)痩せる!(ダイエット効果)
(C)美しくなる!(美容効果)
というメリットが、当然あるに違いない!(笑)
この先入観はサウナ業界による謳い文句の永遠の反復によって今日に至るまで日本人の観念に引き継がれ、ほとんど疑われることがない。(A)のウソについては、日本式サウナ(1)汗ダラ、血ドロのヒーローたち? と 日本式サウナ(3)死亡リスクでもリラクゼーション? ですでに詳述した。
(B)と(C)は外見(容姿と容貌)が改善するという話であるが、本当かウソか確かめてみよう。
(B)サウナで痩せる!(ダイエット効果) は本当か?
まずは、サウナー(サウナ愛好者)たちの「つぶやき」を見てみよう。
このように「サウナで痩せた気がする」というひとが非常に多いようだ。少なくとも当人たちはそう思っている?思いたい?では、実際はどうなのか?Grok AI に訊いてみた。
Grok AI: サウナに痩せる効果やダイエット効果があるという主張は、主に迷信であるとされています。その科学的根拠は、主に以下の点にあります。サウナ使用による体重減少は一時的な水分損失によるものであり、脂肪減少を伴う持続的な効果ではないという点です。以下で、信頼できる科学的研究や専門家の見解に基づいて説明します。
1. 体重減少は主に水分損失による一時的なもの
サウナの高温環境では大量の汗をかき、体重が減少しますが、これは体内の水分が失われるためです。再び水分を補給すると、体重はすぐに元に戻ります。これを「水分の体重(water weight)」と呼び、脂肪燃焼とは無関係です。
科学的根拠:2014年の研究(Podstawski et al.)では、若年層の被験者を対象に乾式サウナを使用した結果、体重減少(Body Mass Loss: BML)はBMI(体格指数)と相関するものの、主に体液の損失によるものであり、持続しないことが示されました。この研究では、セッション後の平均体重減少は約0.3-0.6kg程度ですが、すべて水分由来です。同様に、2019年の追跡研究(同じ研究者)では、繰り返しのサウナ使用で生理パラメータ(心拍数、血圧など)が変化するものの、体重減少は0.65kg程度で、再び水分損失が主因と結論づけられています。これらの変化は肥満度が高い人ほど顕著ですが、脂肪減少ではなく脱水症状のリスクを高めるだけです。
2. カロリー消費は限定的で、脂肪燃焼にはつながらない
サウナでは心拍数が上昇し、軽い運動に似たカロリー消費(例: 30分で400-600kcalの推定値)が発生しますが、これは休息時の1.5-2倍程度に過ぎず、持続的なダイエット効果はありません。実際の脂肪減少には、食事制限や運動のようなカロリー赤字が必要です。
科学的根拠:Healthlineのレビューでは、サウナは汗による水分減少で一時的に体重を減らすが、脂肪燃焼ツールとしては効果的でないと指摘されています。心拍数増加によるカロリー消費は運動の代替にはならず、再水分補給で体重が戻るため、長期的な減量には寄与しません。
Medical News Todayの記事でも、サウナ後の体重減少は1ポンド(約0.45kg)程度可能ですが、これは汗の損失によるもので、脂肪減少の証拠はないとされています。赤外線サウナの場合も同様で、スポット還元(特定の部位の脂肪減少)は神話です。
3. 他の健康効果はあるが、ダイエット直接効果はない
サウナは心血管機能の改善やストレス軽減、筋肉回復などの利点があり、間接的に運動継続を助ける可能性はありますが、直接的なダイエット効果の科学的証拠は乏しいです。例えば、Mayo Clinicのレビューでは、赤外線サウナの健康効果を認めつつ、減量については言及していません。複数の専門家レビュー(Harvard Health、Nutrisense Journalなど)で、サウナの減量効果は「神話」としてデバンク(反駁)されており、研究が限定的で、持続的な脂肪減少を示す証拠がないとされています。
まとめと注意点
これらの根拠から、サウナのダイエット効果は迷信であり、科学的には一時的な水分減少に過ぎないことがわかります。持続的な減量を目指す場合、バランスの取れた食事と運動を優先し、サウナは補助的に使用するのが適切です。ただし、サウナ使用時は脱水症状のリスクがあるため、事前に医師に相談し、水分補給を徹底してください。
錯覚説
高温環境で座っているだけでかいている汗なのに、運動して体を動かしてかく汗と同じだと思ってしまう?運動している場合は、脂肪が燃焼しているのでダイエットにつながるが、サウナで座っているだけではダイエットにならない。「怠惰な汗」なのに見返りを期待?(笑)
見返り期待説
高温のサウナでじっと座っているのはたしかにつらい。サウナーは「こんなにつらい思いをして耐えているのだから、当然何らかの見返りがあるはずだ」と勝手に思っている?そして自分の忍耐への見返りとして、サウナ業者が甘美な言葉でささやくダイエット効果、デトックス効果、美容効果、健康効果、等々が当然与えられるはずだと思ってしまう。つまり、サウナーは自分の忍耐を過大に評価する傾向がある?(笑)
「サウナ=夢の世界」説
サウナには大したメリットはなく、むしろ健康リスクのほうが多い。しかし、過酷で非日常な密室環境に入ってダラダラ汗を流しながら日本人が大好きな 我慢 をすればするほど、サウナ業者が謳うさまざまなメリットが得られる「ような気分になれる」。サウナ店はそういう甘美な夢を提供している。(笑)
(C)美しくなる!(美容効果)は本当か?
15年も前に本質的な疑問をぶつけているひとがいた。
このひとは女性だと思われる。彼女のすごさは宣伝やウワサよりも自分の感覚にもとづいて真実を追求しているところだ。
本当はどうなの?と。
上の真剣な質問に対して、ほぼ理想的な回答が出てきた。
サウナ施設に勤務するひとの日々の観察にもとづく回答であるだけに、説得力ありすぎ?
長年のリピーターの温泉客を、サウナに入る派とサウナに入らない派とで比較観察した貴重な報告だ。
女性は同性のひとの肌の具合を実によく見ているものだと感心する。
この回答の優れているのは、利益相反がない点だ。この回答者はこの回答によって自分や自分の勤務する業種への利益を得ることも、不利益を回避することもない。そういった客観的で中立な立場からの意見であるために一層信頼性があると言える。
回答の最後に「入る派の人達って元気でパワフルなひとが多いように思う」と言っている点が興味深い。元気でミーハーなおばちゃん連れが想像されるが、おそらく15年前でもマスコミに流布していたであろう「サウナは美容とダイエットにいい」という宣伝をそのまま信じてサウナ通いを続けていたのではあるまいか?その結果は当人たちは気づかないが、受付の女性の目には歴然としていたのだ。「サウナ入る派は肌が浅黒く硬そうな感じ」と。
このヤフー知恵袋の質問者と回答者は、自分の感覚と観察にもとづいて判断する賢明な女性たちである。この対極がテレビやマスコミに踊らされるだけの「元気でパワフル」な女性たちではないか?
次も自分の感覚と観察を大事にする女性のケースだ。
とても50歳には見えない咲丘恵美さんは、その若さを保つために並々ならぬ努力をしていることがわかる。
非常に研究心旺盛で、自分の感覚と観察を大事にするひとのように見受けられる。
その彼女が「サウナに潜むシミのリスク」に警鐘を鳴らしている。
37℃以上でメラニンが産生されてしまうそうだが、日本のサウナは100℃がふつう。
しかし、そんな彼女も30年近く前の20代の頃にはサウナ業界の甘い謳い文句につられてサウナに通っていた時期があったのだ。しかし、彼女はサウナ業界にいつまでも踊らされてはいなかった。
美容、美白に人一倍関心があった彼女は、自分の経験と観察から直観的にサウナの美容リスクを感じて、背を向けたのだ。
ここまで、自分の観察と直観にもとづいて美容リスクを回避してきた女性たちを見てきた。しかし、彼女たちの感覚や直観には、以下のようにちゃんと科学的な裏付けがあったのだ。
サウナのリピーターの肌が黒ずむというのはデマでも何でもなく、客観的な事実なのである。
ヤフー知恵袋の回答者の観察は正しかったのである。
夏の日光にさらされなくても、薄暗いサウナ室で高温に曝露しているだけで、メラニンは生成されてしまう。その結果、色黒になるというメカニズムがあるのだ。
ネット上に無数にあるサウナ店のウェブサイトでは、必ずと言っていいほど「美容効果」を謳っている。しかし、美容にとってはサウナは逆効果というのが本当のところなのだ。「美容効果」よりも「美容リスク」があるのだ。それが客観的な事実なのだ。しかし、この事実を正直に伝えているサウナ店は皆無であろう。なぜか?事実を言えば客が来なくなるからだ。(笑)
● 資本主義は消費者を騙すことによって回っているのだ。それに気づかないひとは資本主義というモンスターの餌食になるということなのだ。
●サウナ産業に限らず、消費者の関心を惹くために多額の資金が投入され、きれいなモデルを使い、高級感あふれるウェブサイトを作り、誘惑的な甘美な宣伝文句を垂れ流す。
● 根拠も証拠もない耳障りの良い美辞麗句を、マスコミやテレビやネットで繰り返し、あたかもすでにそれが常識であるかのようなレベルに持っていく。
● 資本主義を回すためにテレビもマスコミもネットも一緒になって消費者、国民を欺いて食い物にしているということだ。
● 特定の産業にとって不都合な事実があっても、メディアは忖度をしてそれを無視するか、過小視するのだ。
さて、「美容効果」、「美容リスク」は主に女性の関心事であろうが、次のテーマは多くの男性にとって大きな関心事かもしれない。
「サウナはハゲる?」という懸念、不安、恐怖はもうすでにかなり広まっており、サウナ業界も火消しに躍起になっている。彼らのウェブサイトを見ると、デマです!ウソです!ただの都市伝説です!と断言できない苦しさがありありと見て取れる。当たり前だ。事実なんだから。彼らの言い分はこうだ。「サウナは正しく使えば育毛効果がある。間違った使い方をすると薄毛になる可能性があるので注意が必要」と!
サウナを正しく使うと言っても、サウナじたいが100℃の過酷な高温環境なのである。そこで、例によって AI に、「サウナ」という言葉を使わずに質問してみた。
質問: 100℃の高温曝露は肌と髪にどういうダメージを与えるか?
Grok AI の回答:
100℃の高温曝露(例: サウナや熱スタイリングツールの使用など)は、肌(皮膚)と髪に熱ストレスを与え、直接的・間接的なダメージを引き起こす可能性があります。
ただし、曝露時間、湿度、直接接触の有無(空気中 vs. 直接熱)により影響度が変わります。科学的な研究では、主に短時間の高熱や繰り返し曝露が焦点で、長期的なサウナ使用では皮膚温度が100℃に達しない場合が多いですが、以下に主なメカニズムをまとめます。これらは主に実験データに基づくもので、個人差(肌質、髪質)があります。
1.肌(皮膚)へのダメージ
高温は皮膚のバリア機能(角質層)を破壊し、乾燥、炎症、長期的な変性を招きます。主なメカニズムは以下の通りです:
角質層の脂質構造の乱れとバリア機能低下
100℃〜150℃の熱曝露で、角質層の脂質が溶融・乱れ、皮膚の透過性が増加します。これにより、水分蒸発が促進され、乾燥や外部刺激への脆弱性が高まります。短時間(100ms)で角質層が密に詰まり、脂質の無秩序化が発生。400ms以上では損傷が表皮深部に及び、角質層の剥離や除去が進みます。
結果として、発疹(赤い斑点やかゆみ)や熱疹が発生しやすくなります。
脱水と乾燥によるひび割れ
高温環境で皮膚の水分が急速に失われ、乾燥・ひび割れを引き起こします。これが慢性化すると、皮膚のテクスチャー悪化や色素沈着(ハイパーピグメンテーション)を招きます。
長期曝露では、網状色素沈着や毛細血管拡張(erythema ab igne)が観察され、皮膚の老化を加速します。
炎症と既存疾患の悪化
熱ストレスが炎症反応を誘発し、湿疹(eczema)や酒さ(rosacea)などの症状を悪化させます。
メラニン生成の促進と色素異常
熱がメラニン産生を増加させ、色素沈着を悪化。300℃以上ではケラチンの蒸発で微小孔が生じ、重度の損傷に至りますが、100℃では主に間接的な影響です。
高温曝露が肌に与えるダメージはシミや黒ずみだけではなく、肌の老化、劣化であることがわかる。これは男女を問わず、大きなリスクではなかろうか?「サウナの美容効果」どころの話ではないだろう。人工的な高温曝露、高熱曝露は人間だけでなく生物一般にとって有害なのである。当たり前である。
2.髪へのダメージ
髪は主にケラチン(タンパク質)で構成されており、高温で変性しやすく、脆さや抜け毛の原因となります。 サウナのような環境では、湿気が加わるとダメージが増幅します。
タンパク質の変性と空洞形成
100℃以上の繰り返し曝露で、髪内部のタンパク質が部分的に変性し、空洞が増加します。これにより、髪の強度が低下し、折れやすくなります。
キューティクルの剥離と乾燥
高温で髪の水分と天然油分が蒸発し、キューティクル(表面層)が剥がれ、粗い質感や色落ちを招きます。75〜95℃でさえ10秒以上の曝露でクラック(ひび割れ)が発生し、乾燥した髪はさらに脆くなります。
サウナ(100℃)では、頭皮の乾燥が加わり、髪のボリューム減少や薄毛様の症状を間接的に促進。
ディスルフィド結合の破壊と破断増加
熱が髪のディスルフィド結合(髪の主成分であるケラチンというタンパク質を構成する重要な化学結合の一つ)を弱め、破断や枝毛を増加。 湿った髪への熱曝露で「バブルヘア」(気泡状損傷)が起こり、髪が弱く細くなります。
頭皮への影響(髪の基盤)
高温が頭皮を刺激し、炎症や毛包ダメージを引き起こし、間接的に髪の成長を阻害。水分喪失で頭皮が脆くなり、抜け毛が増える可能性があります。
免責事項:これは一般情報で、医療アドバイスではありません。専門医に相談してください。
サウナハットというものがあるそうだ。サウナ室の高温から頭部を保護し、のぼせを防ぎ、髪や頭皮の乾燥を防ぐ意味があるそうだ。
これは決して熱を遮断するものではなく、高熱の曝露を多少緩和するほどの意味があるだけだろう。はっきり言って、「気休め」?
これをかぶって、むしろ安心しながらハゲていく?(笑)
日本式サウナ(1)汗ダラ、血ドロのヒーロー?
日本式サウナ(2)サウナは快適社会の「プチ苦行」?
日本式サウナ(3)死亡リスクでもリラクゼーション?
日本式サウナ(4)「ハゲたっていいさ!」「シミなんか気にしないわ!」
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