小説 「シューマン周波数」

小説 「シューマン周波数」

右はドイツ語版(タイトルは“周波数”である)

シューマン周波数“ という用語をそのままタイトルにした小説がある。オーストラリアの新進気鋭の作家 Christopher Ride のデビュー作である。

“Schumann Freqeuncy”   Christopher Ride

ジャンルとしては“SF”に入るだろう。とにかく2081年の未来からタイムマシーンで2012年にやってくる Wilson というタイムトラベラーの話である。では、彼は何のために70年以上も時間をさかのぼって来なければならなかったのか。

彼は シューマン周波数 を是正するために未来からやって来たのである。未来ではシューマン周波数  7.83 Hz が2012年よりも高くなっていて、人間の心、社会に弊害を生じていたのである。話の中では、8.1 Hz 以上ということになっている。それを是正するためにヒーロー、Wilson がやってくるのであるが、それを妨害しようとする闇の勢力が待ち受けている。マヤのプラミッド、エジプトの大ピラミッド、イギリスのストーンヘンジへと、わがヒーローは忙しく 2012年の地球の表面を駆け巡る。

シューマン周波数 7.83 Hz が地球の生命、地球人類の生存、福祉に関わる重要な物理学的事実であるということが当然の前提となっている小説である。

現在、日本語訳は出ていない。著者のクリストファー・ライド はマイケル・クライトンの再来として注目されている作家である。

 

ブログ主がペーパーバックを取り寄せて読んだ感想としては;

1) デビュー作とは思えないほどの完成度である。

2) 科学的リサーチはよくなされていて、タイムトラベルの実現可能性は非常に面白く、説得力がある。

3) 地球上の“観光名所”にこだわりすぎている印象がある。映画化するには欠かせない要件なのかもしれないが、あまりにもすいすいと観光スポットを巡っていくのは、ブログ主にはついていけない。。

4) シューマン周波数 じたいについてのもっと詳しい説明があってもいいように思う。

 

総合評価: ★★★★☆ 星4つ

 

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